自転車屋の息子丸井輪太郎は、なにをやっても平均以下で、なにも目的のない少年であったが、中学自転車ロードレースで、死に物狂いで走り、最後まで勝負を捨てなかったことにより自信をつけ、自転車での日本一周旅行を決意したのである。 町内中のみんなに見送られて、華やかに出発したまでは良かったが、箱根で霧に巻き込まれ、おまけに崖から転落して、壊れた自転車を担いで家に戻ってきた。
壊れてバラバラになった自転車の部品を忘れてきたことに父親は腹を立て、自転車一台のありがたみがわかるまでは、しばらく日本一周の出発はいかんと叱りつけた。 輪太郎はスクラップを集めて自転車を組み立てようとするが、なかなか上手くいかなかった。 その頃、あちこちに出現する自転車の「壊し魔」を捕らえることにより、輪太郎は父から新車をもらうことが出来た。そして、ついに輪太郎は日本一周へと旅立った。 |