自転車と雑誌

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自転車と雑誌

自転車の雑誌はなにを読んでいますか。 今、書店に普通に並んでいる雑誌を見ると、サイクルスポーツ、ファンライド、バイシクルクラブが代表的なものかと思います。 その昔にはニューサイクリングなるサイクリング雑誌もありましたが、今となってはどうなっているのでしょうか。 近所の書店の雑誌コーナーで見かけることもなくなってきました。

この3誌の中で歴史的に古いものは、やはりサイスポという愛称で呼ばれているサイクルスポーツでしょう。 自分も中学生の頃くらいから立ち読みしたりして、自転車の世界を堪能したものです。 当時、レースなんて興味のない分野でしたし、まだまだツーリングが主流を占めていた頃なので、もっぱら紀行文やランドナーやキャンピング車の特集コーナーを楽しく読んでいました。 夏休み前には、毎年恒例の信州の峠特集や北海道特集等でツーリングの情報も得られることができ便利なものでした。 それに、オールカタログやメンテナンス特集があったりして、かなり活用していました。 あれから20年近くも毎月購読していますが、最近の内容には辟易とする場面も見られます。 毎年同じ時期に同じような企画で編集されており、新鮮さがなくなってきているのです。 冬には「春までにこれだけは!」、春になれば「シーズンインにおけるスキルアップ」、夏になれば「乗鞍攻略等の人気イベント向け対策」、秋には「シーズンオフの過ごし方とメンテナンス方法」。 大体こんな感じで一巡してしまうので、丸々1年間購読すれば、翌年は不要かもしれません。 また、最近ではビギナー向けの記事が多く、年間を通して基本テクニックとか、ポジション合わせとか、そんなことを何度も繰り返して購買層を増やそうとしているのが見え見えです。 しかも、毎号違う人選でトレーニング手法を掲載し、人によっては全く違ったことを言っている。 反対にビギナーにはさっぱりと言うことになってしまうのではないでしょうか。 なぜ年に何回も自転車のABCばかりが記事になるのか、全く理解できません。 基本的な毎号共通な内容については、別冊で基本ブックを興して頂いて、それ以外の真新しいことだけを月刊誌として組み込んで頂ければ、紙面も充実した効率的、かつ廉価に収まるのではないでしょうか。

今のところ、新規性のある記事はニューモデルや海外レースくらいで、それなりに楽しんで読めますが、それ以外はなんだか惰性で読んでいる感じがします。 それでも厳しい話を言えば、インプレッションなんて言葉にしてみたら、どの自転車も同じようにしか表現されていない。 自転車の乗り味を文字に変換するのは難しいかもしれないが、どうも表現がどれも同じようになっている。 どうにも難しい世界ですね。

では、他の雑誌はどうでしょうか。

ファンライドなんてのは、ランナーズの姉妹紙でもともと隔月発行だったのにいつの間にか月刊誌に変わってしまいました。 最初は、雑誌の特性上、メカニックな話よりトレーニング方法等の身体に関する内容が充実していて楽しかったのですが、最近は自転車ファッション雑誌に変貌しつつあるように感じます。 一時期は、雑誌にDVDまで付録で付けていたけど、やはり企画倒れでなくなってしまいました。 今は普通の自転車雑誌。 ただ、雑誌企画で自転車レースを開催している点は高く評価されると思います。 これまでのサイスポにはなかった企画力です。 その点は他を抜きん出ているのではないでしょうか。

では「バイクラ」こと「バイシクルクラブ」はどうでしょうか。 バイシクルクラブについては、昔から大きく変貌してしまいました。 創刊当時の記事にあった「自転車のAtoZ」なんて記事は、かなりのマニアックな記事で非常に興味深く楽しく読んでいました。 しかし今となっては、完全に自転車ファッション雑誌。 流行を追い求め、流行を創造し煽り立てるのです。 あのビーパルがアウトドアファッション雑誌に成り下がったのと同じような感覚です。 ちょいと最近の企画には新鮮さがないです。 写真ばかり多く、料金も高いので購読をやめてしまいました。

こんな状況の昨今の自転車雑誌ですが、面白みに欠けるところが多数見受けられます。 昔は、それなりに各社も独自色を打ち出し、深く切り込むところはくどいほど突き詰めた記事が掲載されていました。 しかし、最近の傾向としては、買ってもらえてナンボの世界ですから、どうしても売れる内容にしなければならない。 どこかで読者やスポンサーに媚びた内容になっているところがあります。 昔からの読者は、そう言ったところに良く気付き、雑誌から離れていくのではないでしょうか。 今ではどこでもネットで手に入る情報をわざわざ金出して本を買うのですから、それなりに充実した誌面にして欲しいものです。

そう言えば、ニューサイクリング誌の「魔物について」って企画は面白かったなぁ。 あそこまで自転車に凝って、特殊工作を施して、装飾していたものなんて、今では手に入らないですよ。 そんなのばっかり特集してて、ホントに自己満足もはなはだしいような魔物たちを喜んだ顔して掲載していた。 いやぁ、うらやましかったですよ。 フレームに直付けされた小物類、フレームに内蔵されたケーブルやワイヤー類、イタリアンコンチネンタルカットラグ、当然の如く定番のイデアル90やブルプロ。 ユーレーやサンプレックスの変速機に、マファックのカンチ。 なんと懐かしい、心を揺さぶるような言葉ではないでしょうか。 今ではそう簡単に手に入れることはできない。 そんな自転車を探して今でもニューサイは頑張っているのだろうか。 今度、近所の本屋でも探してみよう。

 

 

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