自転車とトンネル

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自転車とトンネル

自転車で走る上で、一番恐怖を感じるのはトンネル走行ではないでしょうか。 圧迫感のある、狭く、暗い空間を自転車で走るのは、誰しも好き好んで走りたいと思えるところではないでしょう。

トンネルが頻発する山間部で、出口が見える程度の短いトンネルが続く分には、まだ気分的にも楽ですが、出口も見えないような長いトンネルが続くと、それはストレスに変わって行きます。 車の運転でも、トンネルに入ったときには無意識にスピードが低下して、その地点で渋滞が発生すると、JAFにも記載されていましたが、それだけ人間に圧迫感を与えるものがトンネルなのです。

一人で走っていて、出口が見えるようなトンネルでは、とりあえず平衡感覚が維持できて、真っ直ぐに走っていける感覚はありますが、トンネル内に勾配があったり、前走者がいたりして、明かりが見えなくなると、どっちが上だか分からなくなる感覚に陥ることがあります。 それに、路肩に避けようにもトンネル内面が素掘りだったりすると、怖くて寄れません。 普通に走っているつもりでも、自分の中ではちょっとしたパニック状態に入ってしまい、ドキドキしてしまいます。 地方にある小さな長いトンネルで照明がないと、こんな感じになります。

一方、幹線道路にある路肩の広い照明の明るいトンネルはどうでしょう。 走るだけなら大きな問題はありませんが、幹線道路だけに大型トラックも走るし、交通量も多いので、ストレスは大きいです。 トンネル内に車が入ってきただけで、音が反響してすぐ後ろに迫ってきているような感覚になり、今か今かと恐怖がつのります。 自動車の運転手は自転車の存在に気付いているのか、きちんと余裕をもって避けてくれるのかと、不安がいっぱい。 運転手に認識されているのであれば、自分もこれ以上路肩に寄れないというところまで、ギリギリに寄っても良いけど、車が気付いていないのならもう少し中寄りを走って気付いてもらってから避けようかとか、いろいろな思いが錯綜します。

これまでに数多くのトンネルを走ってきましたが、恐怖のトンネルと言われて思い出すのは、やはり信州。 松本から乗鞍に向かう途中のトンネル群と上高地入口にある釜トンネルです。 新島々を過ぎた辺りから、トンネルが続くのですが、道は狭く、トンネル内はもっと狭い。 一部のトンネル内では大型車がすれ違うことができないくらいです。 山岳地帯を横断するための幹線道路だし、観光道路でもあるので、大型トラック、大型バスが次から次へと走ってきます。 トンネルの中にまで分岐があり、とにかくひき殺されそうな状況です。 しかも、豪雪の地域ですから、トンネル内はチェーン等により削られてガタガタだし、路肩にはホコリやゴミがいっぱい。 天井からは湧き水が垂れてきて冷たいし、それが路面に広がってスリップしやすい。 こんな条件の悪いトンネルはなかなか見つからないです。 

そんなトンネル群を過ぎて、最後に待ち構えているのが上高地に向かう釜トンネル。 暗くて分からないのですが、最大勾配10数%はあるのではないでしょうか。 対面交互通行のトンネルであることからもトンネルの幅は狭く、しかも街灯もなく、勾配はきつく、路面状態も悪く、トンネル内壁は排ガスの汚れで真っ黒、トンネル内でカーブしているという悪条件。 信号で待っている車を先に行かせなければ、車が自転車の脇をすり抜けられませんので、車の最後尾からスタートします。 でも、ゆっくりと走っていると、対向車が下り始めてしまうため、信号が変わるまでにトンネルを抜けなくてはなりません。 ちょっとスリリングな、スタートダッシュの瞬間です。 でもこれが、下りとなると、また大変です。 なにせ、急勾配の照明なしのカーブありの、路面はビチャビチャですから。 スピードは出るし、スリップしたら壁に激突です。 こんな悪条件のトンネルはこれまでの自転車人生で走ったことはありません。

その他の思い出深いトンネルでは、関門海峡の地下トンネル。 自転車にとっては、単なる地下道かもしれませんが、海峡の下を通る地下道は、これもまた1つのトンネルです。 エレベータで地下まで下り、そこから水平移動をするのですが、内部にはやや勾配がついており、快適に走行することができます。 トンネル内部に山口県と福岡県の県境の表示があり、地底の県境に感動した覚えがあります。 こういった安全なトンネルは大歓迎です。

あともうひとつ紹介したいのが、長野市から鬼無里を抜け、青木湖に抜ける峰方峠にある峰方トンネルです。 悪い印象ばかりで記載してきたトンネルですが、ここから見える風景には感動した覚えがあります。 昔、ニューサイクリングという雑誌の表紙にもなった一部の人の間では有名なトンネルです。 鬼無里から峠道を登り、峠のトンネルを抜けると、そこには五竜、白馬等の峰々のパノラマが大きく広がっています。 長野側から峠を上る間は景色も広がらない林間の道から、トンネルを抜けた途端に急に広がる風景は感動ものです。 このトンネルですが、記憶に残っているのは丸いトンネル。 会社に入ってから行ったときには四角いトンネルに改良工事が施されており、風情はなくなりましたが、アルプスの風景は同じように待ち構えてくれていました。

これまでに自分が通過した数多くのトンネルのうち、特別な印象が残ったものを紹介しました。 いろいろなトンネルにそれぞれ個性もありますし、同じトンネルでも通過する方向や季節によっては印象もガラッと違います。 いろんな表情を持つトンネル、今後もツーリングを通してたくさん通過していくことでしょう。

 

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