自転車と雨

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自転車と

自転車乗りにとって雨は一番嫌いなもの。 視界は悪くなるし、スリップするし、身体はビチャビチャ。 しかも雨は上から降ってくるだけではなく、路面から跳ね上げる水しぶきにより全身がずぶ濡れになります。 

その昔、ランドナーを駆ってツーリングをしていた頃は、雨となっては景色も見えないし、面倒だし、寒くてイヤだからと、テントなり宿なりで停滞していました。 どうしても行程をこなす必要があったときだけカッパを着て走ったのです。 どうしても走る必要があるのは、大学の合宿等で宿泊先を予約しているときです。 みんなで列になって先を急ぎます。 当時のランドナーというものは、旅の道具としては優れていて、前後輪にはキチンと泥除けがセットされていました。 このおかげで、前走者からの跳ね上がりを受けたわけでもなく、自分の後輪からの跳ね上がりがあったわけでもないので、綺麗な身体で宿に到着できたのです。

しかしながら、昨今の自転車といえば、ロードやMTB。 これでツーリングに出かけ、山中で雨に遭ったときには大変です。 前後輪から跳ね上げる泥水でサングラス無しでは走れません。 サングラスをしたとしても、たくさんの水滴や泥により視界はどんどん悪くなります。 前輪で跳ね上げた水は、シューズの中に入り込み、踏み込むたびにグチャグチャと感じられます。 それだけではなく、口の中にまで入ってきて、泥でジャリジャリになります。 後輪から跳ね上げられた水は背中をどろどろにし、不快感を残します。 

そればかりではありません。 オフロードを走るMTBでは、靴底のクリートに泥が詰まり、ペダルとの着脱が不自由になります。 いくら体重をかけようがはまらないのです。 これではストレスも溜まりますし、危険も増します。 当然、走る環境としては、ドロドロのためにグリップも悪くなり、スリップが多くなります。 危険極まりない遊びです。 王滝100kmに参加したときは大変でした。 雨の混じる中を走ったのですが、路面はドロドロで、前後輪から跳ね上げる泥で全身が泥だらけ。 それだけなら構わないのですが、スゴイ勢いでブレーキシューが減っていくのです。 スピードの乗る下りが多く、コーナーも多いのでブレーキを多用する必要があるからです。 跳ね上げた泥でタイヤやリムはドロドロなところを、ブレーキの連続でジャリジャリと削り取っていくのです。 走りながらブレーキストロークを調整しなければならないほどでした。

一方、ロードで走ると状況はまた変わります。 一度だけ、シマノ鈴鹿に出たことがあります。 たしか、サーキットを3周するカテゴリだったかと思われます。 スタートから下りストレートを走り、第一コーナー。 スタートから殺気立った奴らが、最初のコーナーで大量に落車していきました。 最初にスピードが乗ったところで、あれほどのカーブでは落車も仕方ないでしょう。 それから、しばらく走り、スプーンコーナーで、後ろを走っていた人が、リアタイヤに擦れながらアウトに消え行きました。 自分もあわや落車というところ。 雨の中を走ると言うのはこんなにも危険なのかと驚くばかりでした。 しかし、ひとつだけ驚いたことがあります。 普通、あんな土砂降りの中、人の後ろを付いて走っていれば、全身泥だらけで口の中までジャリジャリとなるはずなのに、今回に限って全くそれがないのです。 ジャージに一本線が入るわけでもなく、前走車のタイヤからの跳ね上げる水には、砂利がほとんど含まれていないのです。 サーキットのあまりの清浄さに驚いたところです。

最近では、もう雨の中を走ることはありません。 走り始めるときに雨が降っていれば走ることはないし、降りそうなときも走りません。 雨の中を走ると、自転車が汚れるし、その後の掃除が大変だから。 なんという軟弱モノでしょうか。 だんだん楽な方へと心が移っていくのでしょう。

     

 

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