自転車と夜行列車

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自転車と夜行列車

そもそも長期間に渡るサイクリングが好きだった自分にとって、日帰りでのツーリングとは、ほとんど無縁でした。 しかも、金曜日の夜行で出かけて、土曜日の晩に帰ってくるというのは、精神的にも厳しいもののように感じられていたのです。 そう言った理由から、1年生の時はほとんど輪行して、夜行日帰りといった形式のツーリングには参加しませんでした。

いつころからでしょうか。 なんのきっかけがあったわけでもないのですが、自分も夜行日帰りに出かけるようになるのです。

金曜日の講義を終え、一旦自宅へ帰り、準備して、新宿駅で集合です。 集合場所は、その当時のスタンダードであるアルプス広場。 すでに、たくさんの人たちが電車の入線を待っています。 乗ろうとしている電車は、23時55分新宿発の下諏訪行き。 

入線時間までの暇の潰し方は、広場で酒を飲んで宴会をするか、新宿の街に繰り出して酒を飲むか。 いずれにしろ、週末の夜、しかもこれから仲間と出かけるなんて場面では酒しかなかったのでしょう。 ツーリングに行けなかった仲間達が酒持って見送りにくるなんてのも良くあることでした。

入線の案内があると、一旦全ての宴会が中断され、荷物をまとめて立ち上がるのです。 駅員の誘導に従い、まるで囚人が強制連行されているかのように、酔っ払いがフラフラと列を成し、ホームに向かうのです。 結構格好悪いです。 そして、目的の電車のドアが開くと、我先にと座席を奪い合うのです。 数人でボックス席を確保するもの。 足が伸ばせるってんで入り口の脇に陣取るもの。 席が埋まってしまうと、酔っ払いが車両の床に車座になって二次会を始めるのです。 当然、ルンペンいや山屋や自転車の奴らの指定列車ではありません。 普通のサラリーマンも乗ってきます。 迷惑そうな顔をして、見下ろしてくるのです。 列車が揺れれば酔ったサラリーマンも足元がふら付き、車座宴会の酒を蹴ったりして、喧嘩が始まります。 あ〜イヤダ、イヤダ。 しかし、三鷹、高尾を過ぎれば、静かなもので、目的の同じような人たちしか乗り合わせていない状況になります。 次第に、翌日の工程を考えて睡眠に入る人も出てきます。 また、一方では宴会が続きます。 大月駅の1時間弱の停車時間で、国道脇のコンビにまで買出しに行って、宴会再開、もしくは明日の買出しをするのが、いつものパターンでした。ここを過ぎればほぼ睡眠モードです。 しかし、深酒は危険です。 目的の駅を寝過ごすことになるので要注意です。 

行く場所によっては、早朝3時とか4時頃に到着し、一旦降りて、駅のホームや待合室で朝まで再度睡眠を取るケースもあれば、下車するとすぐにスタートするケースもあります。 やはり危険なのは前者のケースです。 なんだかほろ酔いの状況の中、とりあえず起き出し、下車するというのは大変です。 電車の床には寝袋に入り、寝転がっている人もいるので、彼らを踏むことのないように、ゆっくりと、しっかりと移動するのです。 みんな熟睡しているので、なかなか起こしてまで移動するのには勇気が必要でした。 たまに寝過ごして、目的の駅で降りることができずに、当初の予定と違ったコースに変更したこともありました。 ちょっと恥ずかしい話ですが、中央線沿線のコースはバリエーションがたくさんあったので、その点では救われました。 

 

 

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