第20期 公認インストラクター検定

第20期 公認インストラクター検定

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名称 第20期 公認インストラクター検定
日程 平成21年1月31日-2月1日
天気 冬の嵐→晴れ! 
結果 寒さの中震えました…

概要

 日本マウンテンバイク協会主催の第20回公認インストラクター検定を受検した。

 これは、12月に伊豆CSCで行われた普及・指導員養成講座を受けると受検資格を得ることができ、今回の検定に合格することで、協会認定のインストラクターとなれるのだ。 12月に実施したのは、受検資格を得るためのものであり、本検定に際しての準備講座と捉えたら良いと思う。

 普及・指導員養成講座は、西日本と東日本に分かれて実施するのだが、本検定は関東でしか行われないので、関西以西に住む人にとっては出てくるだけでも一大イベントになるだろう。 本検定の会場はa.b.c.cupでもおなじみの千葉県幕張海浜公園である。 関東在住の人間にとっては、東京からもすぐなので、手軽に行くことができるので有利であろう。

 

1日目

 当日の集合時刻は11時30分。 折からの低気圧の接近で、12月にしては珍しく雨も強く、風も強く、外に出るのはモノ好きしかいないような状況だ。 強風のせいで、近くを走る京葉線も一時不通になったくらいの天候だ。 集合場所の駐車場には、我々の関係者しか車を停めていないのであろう。 駐車場はガラガラだ。 とりあえず傘を指さずともいられるような天気ではあったが、カッパでも着なければ、ウェアがじっとりと冷たくなる。 風は強くかなり寒い。 集合時刻になったのに、参加者は車からなかなか降りてこようとはしない。

 とりあえず、自分も着替えだけは済ませて、いつでも対応できるようにはしておいた。

 

 スタッフが召集の合図を出した。 集合だ。

 あれよあれよと、寒そうに身体をすぼませて集まって来る。 そこでのスタッフの言葉は、「本日は自由!」と言うものだった。 本来であれば公式練習会の予定だったらしいのだが、この悪天候の中ではそれもままならないとの判断で、急きょ予定の変更となったのだ。 安全を考えると、そうならざるを得ないのであろう。 周りにはメッセでも、アウトレットでも遊べるところはいくらでもあるので、好きに過ごして良いと言うのだ。

 とは言いながらも、スタッフは翌日の検定実施場所を案内してくれて、どんなポイントを見て点数を付けるのか解説までしてくれた。 あとはホントに自由時間である。 走ろうが、外に出ようが勝手だ。 スタッフも練習に付き添ってくれて、ああだこうだと指摘してくれるのがうれしい。 実際に出て行った人がいたのかどうかは知らないが、そもそも泥の中でも競技を行うのがマウンテンバイクなので、ほとんどの人がドロドロになりながら練習していた。

 急坂の上り降り、段差上り降り、スタンディング等々… 各種目の実施ポイントはいろいろとあるのだが、要するに養成講座でもさんざん話に出た内容が中心だ。 基本は、まず自分が理解できていること、そしてそれをいかに相手に分かりやすく理解するか。 理解させるためには、手ほどきも大切だが、自分もきちんと説明しながら出来なければならない。 その点を再認識するようにと話をされながら、各種目についての解説を受けた。 あとは翌日に備えて練習するのみだ。

 とは言っても、寒くてたまらない。

 途中から雨は止んでくれて助かったのだが、ぬかるみはしっかりと残り、さらに練習で何度も走ることで路面を荒らしてしまった。 本番では厳しくなりそうな路面状況のところもある。

 空を見上げると、雲も高くなり、薄くなってきたようには見えるが、まだまだ晴れ間が出るには程遠い。 時折、強風にあおられて海鳥が舞っている。 これでは自由に飛べなくてつらそうだ。 まだ、地面で泥や坂道と闘っている方がマシかもしれない。

 時間はたっぷりとある。 11時半から始まって、15時30分の宿舎へのチェックインまで練習時間となったのだ。 矢沢みつみ選手を始めとする女性陣は、時間いっぱいまで練習していたのだが、中には早々と練習を切り上げる者もいた。 私も漏れなく、寒さに耐えかねて早々に練習を切り上げた口だ。

 なにせ、前週は風邪で調子を崩していただけに、ここで無理して検定で辛くなるのは避けたかった。 ひと通りコースを確認して、乗車してクリアできることを確認して、気になるところを数点確認すれば、それで終わりだ。

 15時には検定会場を離れ国際能力開発支援センター(OVTA)へ移動した。 しかしながら、この辺りの駐車場事情は厳しいものがあり、なかなか駐車場が見つからない。 ぐるぐると徘徊して幕張海浜公園の中にある駅にほど近い駐車場に停めて、そこから歩くことにした。 たくさんの荷物を持って移動するのはなかなか大変だ。

 支援センターは海外からの研修生を受け入れるだけの施設であって、部屋は快適でデスクも完備、蛍光灯も完備で勉強するには環境が良い。 伊豆CSCの研修所とは異なり、個室なので快適性も抜群だ。 なんたって17階だし、景色も良い。

 と、感動ばかりしていられないのだ。 シャワーでサッパリとして夕食だ。 価格も張るが立派な食事だ。 お腹いっぱいになる。 眠くなりそうなのをこらえて夜の部に突入だ。

 大部屋での集合研修も前回に引き続き考えさせられることが多かった。 今回の講師はオキドキライフの沖コースケさん。 雑誌やネットでは拝見することはあっても本人は初めてお目にかかる。 ここでの内容の詳細は割愛するが、なかなか有意義な時間だったと思う。 なにしろ、いろんな立場の人が同じMTBを見るにしても、まったく違った視点で見るわけで、その感覚が非常に面白いものだと感じることができた。 ところで、沖コースケさんって、漢字が書けないんですよ… ホワイトボードに書くときは、最初は丁寧なんだけど、だんだん雑になって、分からない字は輪郭だけ。 虫が潰されたような字があちこちに点在していました。

 本研修も18時50分から20時30分までで終了。 あとは自由時間となった。

 ちょっと、熱っぽくなってきたので、そのまま部屋に戻ると、早々に眠ってしまった。 実は練習だけでもかなり緊張してたのかもしれない…

 

2日目

 完全に熟睡。 一度も目覚めることなく朝となった。 快適なベッドだ。

 カーテンを開けると青空が広がっている。 カルフールの屋上は車も空だし、ビルの間からは幕張メッセが見え、さらにその向こうには東京湾越しの富士山まで見える。 一方、東関道はスイスイと流れており、その向こうには筑波山まで見渡せる。 昨日とは打って変わって快晴だ。 気持ちの良い朝を迎えることができた。 と、同時に不安も頭を持ち上げてきた。 さて、どうなるだろうか…

 朝食を済ませるとさっそく移動。 着いてみると自分たちが一番乗りだった。 自転車を組み立てると、一通りの練習をする。 あまり労を要さず、それなりにクリアできた。 なんとかできそうな気がする。 いやいや、練習だからか? 何かと不安が頭をよぎる。 こういう心配って苦手なんだよな…

 

 まもなくスタッフが召集をかける。 みんな集まり点呼をとると、試技が始まった。

 どんな順に何をやったかなんて、頭に残ってない。 丸太越えの抜重から始まって… あとはなんだったっけ? そんなわけで、あれよあれよと言う間に終わってしまったのだ。 もちろん、検定規定なるものが存在するので、それに則った形で行った。

 路面のコンディションは確かに悪く、前日に小雨交じりの中をズルズルと走った影響があって、走りづらい。 特に激坂上りのコーナーでは、スリップして乗れない人も多く出た。 しかし、審査のポイントは、あくまでも基本を押さえており、人に指導できるかと言うことのようだ。 

 さて、各種目でどんな感じだったのか、記憶しているものだけ…

@ 丸太越え

 基本的にゼッケン番号順なので、自分は真ん中ほど。 適度に人の試技を観察してからできるので良いのだが、やはり待つ間に緊張する。 公園の広場の丘の上から下った先に丸太を置いて飛び越えるのだ。 一番基本的な丸太越えでさえ、前輪が上がり切らなかったり、後輪が付いてこなかったり… やはり無駄な緊張感が余計な力を導き出している。 なかにはこれくらいのことで転倒する人まで出てくるくらいだ。 一番目の試技だけあって、緊張感はすごかったかも。

A激坂上り

 前日の練習のおかげで、侵入路はドロドロでタイヤのブロックの間に泥が詰まりながら上って行く。 しかも、斜面はちょうど日が当たらなくて、その部分だけは日陰のまま、ほとんどドロドロのままだ。 半分ほどの人が登り切れず、足を付く。 さっき練習で何度もできたのに、本番では失敗だ。 情けない。 2回目や3回目までチャレンジする人もいたが、あまりにも見苦しいのでサッパリと諦めた。 基本は抑えているだろうし、たまたまコンディションが悪くて登れなかったのだと言い聞かせた。

B激坂降り

 坂の途中に検定員が待機しており、そこに向かって下りの解説をしながらゆっくりと下って行く。 姿勢の話、視線の話、ブレーキの力加減… いろいろと解説しながら行くのだ。 最初の人たちは口数も少ないのだが、後半になるほど同じような話が繰り返されるようになり、解説が長くなる。 んん〜〜 これは後半ほど有利なのか? それとも…

Cスタンディング

 いよいよ苦手なスタンディング。 30秒の壁はどうなるのか。 順番にやって行くのは同じだが、残りの人に輪になって囲まれた中でやるのは、かなりの緊張を強いられる。 これだけで気おくれがして、あっという間に足を付いてしまいそうだ。 待っている方が緊張する。 いよいよ自分の番だ。 秒読みが始まるのだが、5秒前ほどから停まって準備する。 止まったところの下地がどうもおさまりが悪く、前輪が動きたくて仕方がない。 それでも、何とか姿勢を制御して、フラフラと前後に動きながら時間の経過を待つ。 25秒! まもなくだ。 …と、29秒そこらで、ぎりぎりと足を付いてしまった。 OKなのか、ダメなのか、なにも言ってくれない。 秒読み分を踏まえれば30秒なのだが… と再チャレンジで、とりあえずクリア。 どの人も同じように、うまく止まるツボがあるらしく、そこに前輪を納められれば、いつまでも停まってられるんだけどね…

D段差乗り・段差降り

 当初予定していた段差での試技ができなかったため、急きょ違うところでの試技となったのだが、登ったところがホイールベースほどの長さしかなく、登ったのもつかの間、すぐに下りの体制に入ると言う意地悪なシチュエーションだ。 やはり、前輪と後輪をあげるタイミングがうまく取れず、後輪を引っ掛ける人が多い。 やや下り坂の中で、30cmほど持ち上げるのだが、スピードとタイミングが難しい。 ポン!ポン!とリズミカルに行ければ問題はないのだけど… と、自分ではクリアできたと思うのだが、検定員の目ではどう見られたのだろうか。 

E模擬講習

 最後は全員の前で1人当たり3分間の模擬講習。 順番にお題を与えられ、初心者に対する説明ポイントの抜けがないか、説明の分かりやすさ等を見ていたのかなと思う。 自分に与えられたお題は激坂上り。 さっき、いまいちうまくできなかったやつだ。 ここで、その基本的なところが抑えられているのかを確認することが目的なのかな…と思いつつ始める。

 とりあえず、仕事がら人前で話すことは平気なのだが、やはり検定となると話が違う。 どうも早口で声が上ずっているようだ。 自分では、なんとか登りの基本となる部分についての解説はできたと思うのだが、どうだろうか。

 

 これで、全ての試技が終わったのだが、すでに14時半だ。 予定時刻を1時間も超過している。 遠くから来た人は、模擬講習も先にやって早々に帰る人もいた。 関東近辺や、少しぐらい早く帰ってもあまり変わらないと言う人は、最後まで模擬講習に参加した。

 20名ほどは最後まで残っていたと思われる。 あとは、流れ解散。

 それぞれが、適当に荷物をまとめては、着替えを済ませては帰途に就くのだった。 駐車場では、それぞれ名刺交換をしたり、連絡先を交換したりと、今後の親交を深めようとする者もいる。 少なくとも、今回のメンバーは20期検定生と言うことのようだ。

 

感想

 伊豆CSCでの講習会から1ヶ月半。 ロードは忘れた。 SPDも忘れた。 長距離を長時間で走ることも忘れた。 そんな生活が続いた。

 土日でも、今までは、「ちょっと走って来る!」と半日くらいロードに出かけていたのだが、「ちょっと公園に行って来るよ。」と小一時間を何回かに分けて行くようになった。 少しでも余った時間があれば、近所の公園に行っては、ベンチに飛び乗り、飛び降り、スロープをよじ登っては、ゆっくりと下ってくる。 はたまたスタンディングスティルで我慢比べ。 この繰り返しだ。 時には子供を連れていくこともあり、子供達もスタンディングがうまくなってきた。 検定までに子供たちに抜かされるんじゃないかと思ったくらいだ。 ちょっと変わったことをやっているからと、近所の子供から羨望のまなざしを受けたりもした。 でも、こっちは子供たちをかまっている余裕なんかない。 ひたすら練習ばかりの土日だった。 平日も、出勤が遅い週は、毎朝30分ほど庭でスタンディングの練習をしていた。

 こうして迎えた本検定。 練習の成果がいかんなく発揮できたかは少々疑問も残る。 でも、自分では使える時間を作りだし、できる範囲での練習はしてきた。 「ま、何とかなるだろう…」なんて、楽観的に思うこともあったし、「これじゃ、まだまだダメだよ…」なんて悲観的になることもあった。 周りの人はどう考えているのかわからないが、落胆している人も見たし、喜びの表情の人もいた。 みんな一生懸命に練習してきた成果をここで出しきろうとしているんだなと、この場にいる自分が不思議な感覚だった。

 この経験って、今後の自分の自転車生活の中でも良い影響を与えそうだなとか、そんな哲学めいたことはどうでも良くて、今まで受験勉強以外は試験なんてやったこともないし、ましてや身体を使っての技術検定なんて初めてのことだ。 こういうものにチャレンジしたこと自体が自分にとってはとても良かったと思える。 ましてや、これを通していろいろな業界の人と巡り合えたことも良い経験を積むことができた。

 検定を終えて、帰り道やその後の一週間は、あの時ああすれば良かった、こうすれば良かったと言葉が頭の中を過ぎる。 激坂模擬講習でも、これも言っとけば良かった、あれも言っとけば良かった…と同じようなことが頭の中をぐるぐると回る。 あれも言えなかったし、これも言えてなかったし… これじゃ不合格だよな… 落ちたら来年も受検するのかな。 でも、昨年に落ちて再受検の人っていたっけ? なんて悪いことばかり考えた。 やはり、落ちたらそこで諦めるのかな。 

 

後日談

 そして迎えた2月7日。 一通の封書がポストに届いた。 日本マウンテンバイク協会からだ。 この中には結果が入っていると思うと、なかなか開けられなかった。 半日はそのまま玄関先に寝かせておいた。 寝かせておいたからって、不合格が合格になるわけもない。 そーっと開けてみたら、合格通知と認定証が入っていた。

 第20期公認インストラクター検定合格のお知らせ…とある。 無事に合格だ。

 今まで、悪いことも考えたが、なんとか無事に合格通知をいただいた。 自分としては及第点ぎりぎりの線だろうと思うので、今後もスクールがあればなるべく参加して、インストラクターとしてのスキルを上げていきたいと思う。

 

 

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