日光周辺のシングルトラック

日光周辺のシングルトラック

もどる

名称 日光周辺のシングルトラック
日程 平成20年10月18-19日
天気 晴れ
結果 ヘロヘロで反省点が一杯のツーリングでした。

趣旨と目的

今年の秋ツリも日光だ。 ちょっと走る場所に飽きてきたせいもあり、他も考えたのだが、S氏がとっておきのコースを見つけてきたということで、例年どおりにキリフリ荘に泊まることになった。 今回のコースは、裏見の滝から志津林道に入り、富士見峠まで行ってから、ちょっと下って来て、それからモッコ平を下って寂光の滝に降りるというコースを選んだのだ。

これまではマウンテンだと、いろはを上って、裏男体林道(志津林道)を下って帰ってくるというパターンだったので、本格的なシングルトラックを走るのは日光で初めての試みかもしれない。 さすがに今までと違ったコースを走るということで、かなりの興味を持つこともできたし、期待もしっかりとしたものだった。

熊の出没情報もありクマよけ鈴も準備し、地形図も2万5千分の1を用意、合わせて山地図も持って準備はしっかりとできたつもりだ。 あとは体力的な準備がどれくらいできているのかが、今回の課題であろう。

  

一日目 〜つらい上り〜

8時半に宿の駐車場に到着すると、女将さんが部屋に案内してくれて、そのままチェックインだ。 こんな時間からチェックインできる宿もそうはない。 早々に着替えを済ませると出発だ。

東照宮前の上り坂はすでに渋滞中であり、車が動きづらい状況にある。 そこから先も、清滝の交差点を先頭に渋滞が続いている。 そんな脇を我々はマイペースで進む。 自転車は渋滞知らずで快適だ。

途中セブンイレブンで買い出し。 外は車で渋滞中だが、コンビニの中はトイレ待ちでかなりの渋滞中である。 長い工程を考えておにぎりを3個も持って走ることにした。 多いようだが、なんとなく不安な気持ちがあったので無理して持った。 峠でカップ麺を食べようと、水もしっかりと持って走った。

日光市民病院の前あたりから国道を離れて裏見の滝へ。 ここの昇り口は急な坂が続く。 浄水場の脇あたりが一番きつい。 ほどなく裏見の滝に到着。 ここからは、車両通行止めのゲートを越えて先を進む。 林道の中の木陰を走る分には、涼しくて快適だ。 調子良く走って行く。 志津小屋への分岐からは未舗装のダートとなる。 いよいよ林道の上りが始まる。 まだまだ砂利も締まっているから走りやすいし、なんたって体力もあり元気だ。 それなりに会話も進むし自転車も進む。

標高はまだ低いので紅葉はなく、緑の林を抜けて走って行く。 時折、林を抜けると日差しが暑い。 半そでで十分な気候だ。 木の間からは遠く男体山も見え、中腹から上は紅葉しているように見える。 次第に勾配もきつくなり、砂利も浮いて、走りづらい路面状況になってきた。

 

ひとつ目の広場に出ると、ちょっと休憩。 木々もだいぶ紅葉が進んでいる。 雲ひとつない青空に紅葉が映える。

前方から単独の自転車が下って来た。 こんなに早い時間に下ってくるとは、かなり早い時間の出発だったのだろう。 こっちはまだこんなところを上っている。と気を取り直してスタートだ。

 

路面状況は悪くなり、踏みこんでもグリップを失い、転倒しそうになる箇所も何度かある。 だんだん会話もなくなり、次第に自分が遅れをとるようになってきた。 腹も減ってきたし、喉も渇く。 しかしながら、あとの工程を考えると食べてばかりもいられない。 余裕をもって残しておきたい。 カップ麺のためにも水は残しておかなければならない。 そんなことを考えながら、消極的な補給をしながら上って行ったのだ。 あそこまで行ったらしっかりと食べようなんて、補給を後送りしていた。

浮石にタイヤをとられ自転車がふらついた。 後から考えるとハンガーノックだったと思うのだが、頭が真っ白になって、ペダルから足をはずすこともできずに、バタッと立ちゴケした。 右の尻から落ちて痛くてたまらなかった。 これじゃあ走れないぞと、少しずつ補給しながら走るようにした。 あまり良くない状況が続く。

2つ目の広場からは下りのいろはが見渡せる。 まだ午前中だし、下りはスムーズに流れている。 その先には中禅寺湖がきれいに見える。 周りはすっかり黄葉している。 走っているときは余裕がないから路面ばかり見ているので、こんなに黄葉しているとは気付かなかった。 

道は一転、下りとなり、少し休憩しつつも距離を延ばすことができた。 勾配はきつくないので、だらだらと下って行ける。 途中、自転車の3人連れが下ってきた。 一人女性も含まれており、元気な集団だ。 下りで余裕のあるときにすれ違って助かったというのが正直な感想だ。

再び上りとなると、路面との対話が始まる。 踏んでも踏んでも進まない。 一向に先が見えてこない。 辛い。 

やっと分岐点に到着した。 左に行くと志津小屋、右に行くと富士見峠だ。 お昼もとうに過ぎている。 しかし、まだまだピークを踏んでない。 こんなペースではたして今日の予定をこなせるのだろうかと疑問と不安が頭の中を過ぎる。 とにかく先を急ごうと、おにぎり一個をかじると先を行くことになった。

ここから先は未知の道である。 等高線の間隔を見ても、楽だとは思えない。 まだまだキツイ道が続きそうだ。 このあたりでは、下山してくる登山者と何人もすれ違う。 女峰山から下って来る登山者のようだ。 時計は13時ころを指しており、この時間には下山してなければ危険な状態だろう。 我々もこれからシングルトラックに入って下ろうというのに、ちょっと危険な時間に入り始めてるような気がする。

当初の予定では富士見峠まで行くこととしていたが、道はどんどんガレてくるし、時間も厳しくなってきたので、予定を変更して馬立の分岐からシングルトラックを下ることにした。

 

一日目 〜つらい下り〜

どんな道が待っているのか知らないが、地形図を見るとモッコ平から尾根伝いに道が続いており、等高線の間隔も広いのでなんとか走れるだろうと考えた。 山地図にはコースタイムは1時間50分で裏見の滝まで下れるようなので、今から下り始めれば15時ころには国道には出られると判断したのだ。 快適に下れればコースタイムの半分、最悪全部押して歩いてもコースタイムで行けるし、最後は林道を迂回すれば、暗くなる前には国道に出られるだろうと考えたのだ。

治山業者の車がたくさん停まっている脇から下り始める。 下り始めるといきなり乗れない。 沢まではかなりの急こう配で、押したり担いだりしながら下って行く。 

 

 

 

沢まで降りると、大きな石を乗り越えたり、ずり落ちたりしながら先を行く。 水は少なくほとんど涸沢だ。 次は反対側の尾根に向かって石を上って行く。 数歩登っては、息を整えてと、なかなか先に進まない。 ペンキや道標で行き先がきちんと示されているので安心だが、足元は非常に良くない。 さらにシマノのSPDカーボンソールのシューズが歩きづらくて、岩に対するグリップが非常に悪いのだ。 女峰山への道を左に見て、日光方面に向かって進む。 足場の悪い箇所から、取り付き点へとようやく上りつめた。  

ここからは、自転車で走れる。 はずだった。 勾配もゆるく熊笹も低くて走りやすいはずなのだが、倒木や段差が多く、乗ったり降りたりの繰り返しで、歩いても同じくらいのペースでしか進めない。 遠くまで道標が見渡せるのでコース的には安心なのだが、なにせペースが上がらないので困ってしまう。

次第に倒木も少なくなり走れるようになってきた。 笹藪でホイールの半分くらいが埋まってしまう。 スピードも出てないので、スポークに枝を巻き込まないようにと祈りながら下り続けて行った。 

 

 

 

 

 

次第に笹藪が高く生い茂り、すっかりホイール全部が埋まってしまった。 熊笹で地面が全く見えず、手探りで下ってるようなものだ。 笹の様子と道標のおかげで、下に道があるんだろうということは何となくわかるので、そこをトレースしていくのだが、ちょっとでも外れると熊笹に乗り上げ、スピードが落ちる。 失敗すると簡単に転倒してしまうのだ。 転倒しても熊笹の上に倒れて行くので、転倒の痛みはないのだが、転ぶたびに脚が攣り痛くて起き上がれない。 乗ったり降りたりを繰り返すことで、極度に疲労した脚に負担がかかり、ちょっとヘンな動きをしただけで、脚が攣ってしまうのだ。

前半は自分が前を走り、そのあとをS氏が付いてきていたので、倒木で転倒するのも段差に落ちるのも私だけだった。 転んだ私を見てS氏は毎回危険回避できていた。 ずるい! それじゃああんまりなので、途中から順番を入れ替えた。 後ろから走るのはなんて楽なんだろう。 今までこんなに楽してたのか?と、後続の利点に気付いてしまった。 ところが、楽なのも最初のうちだけで、何度か転倒するうちに、どんどん離されてしまった。

クマザサの上に一回転して脚をひねりながら着地。 転倒と同時に脚が攣ってしまい態勢が整えられない。 足が山側を向いていると、起きたくても起き上がれないので、ズリズリと這って体の向きを変え、脚が谷側になったところでようやく体が起き上がれる。 攣った脚が痛くて、自由に起き上がれないのだ。 こんな思いをしながら下るなんて久しぶりのことだ。

ようやく大樺という寂光の滝と裏見の滝の分岐点に到着する。 ここだけ、熊笹がなく、座るスペースがぽっかりと開いている。 ようやく先も見えてきたので、落ち着いて休憩することにした。 わざわざ持ってきたコンロでお湯を沸かしコーヒーを淹れる。 ガスの音も消え、一気に静寂に包まれた。 時折り吹き抜ける風が木々を揺らす。 熊笹も遠くからかさかさと風になびき、反対側へと駆け抜けていく。 ここでコーヒーと一緒にチョコレートなどの甘いものがあるととてもうれしかった。 実際には、食料も尽きており、最後に残ったおにぎりを二人で分けて食べたのだ。 二人ともかなりの空腹状態で疲労もたまっている。

地形図を見ると、裏見の滝方面に下れば間もなく林道の実線を横切るので、こっちの方が楽そうだ。 寂光の滝は、最後になって等高線の間隔が狭くなっているので、ちょっと危険な予感がした。 疲れがたまって集中力が欠けているときには危険だと思えた。 とりあえず、早いところこの藪から抜け出そうと意見は一致した。

分岐を右に進んだ。 すぐにホイールが埋もれるくらいの熊笹に包まれた。 再び車上の人となり先を急ぐ。 急に林が開けたかと思うと林道に飛び出していた。 林道の先には、まだまだ笹藪の中の登山道が続く。 山地図には、林道を経由すると遠回りになるので、笹藪を直進するようにとの記載があるが、林道に出てしまえば自転車の方がよほど早いし確実だ。 迷うことなく林道を下ることにした。

志津林道とは違って砂利も締まったグリップの良い道だ。 サスペンションが路面のショックを吸収してくれ、快適に下れる。 このままただ下るだけでゴールに迎えるのだ。 地形図では下りだけだと確認しているが、上り返しのないことだけを祈って下った。 しばらく下ると、数時間前に通過した志津小屋の分岐に出会い、コースが間違ってないことを確認し、ホッと胸をなでおろした。 あとは舗装路と未舗装を適度に繰り返しながら裏見の滝に下って行くだけだ。 

国道に出ると朝のコンビニでまず食料を調達し、とにかく腹ごしらえだ。 何か口にしないことにはどうにかしてしまいそうだった。 そして、お約束の缶ビールを4本ほど購入し、宿に向かったのである。

 

一日目 〜やっと終わった〜

宿に着くと16時。 川の脇の信号から最後の数メートルの上りが辛かった。 さらに駐車場から宿までの足取りが重い。 いつもならここで温泉と酒の買い出しに行くのだが、そんな余裕もなく宿の風呂に入ると完全にだらけてしまった。 万一に備えて布団を敷き、そしてビールを開ける。 なんだかんだ疲れていながらも、1リットルずつ飲んでしまった。 飲み終えるとバタッと布団に倒れ込み…

A氏は19時過ぎに到着した。 1時間半はゆっくり眠れたか… 夕食を終え、部屋に戻ると再び飲み始めた… はずだが、気づくと朝だった。 缶酎ハイを飲み始めたところまでは覚えているのだが、そのあとバッタリと行ってしまったようだ。 A氏が買ってきた酒はほとんど手を付けることができず、そのまま深い眠りに落ちてしまったのである。

 

二日目 〜やっぱり疲れる〜

宿を出たのが9時過ぎだ。 再び日光の街に向かって進んで行く。 朝起きた時は体じゅうが痛くてふらふらと階段を下りたものだった。 何とかして走らない言い訳ができないかと考えを巡らせたが、絶好の自転車日和に言い訳は見つからなかった。

今日の予定は、昨日走れなかった寂光の滝からモッコ平に向かって上り、大樺から裏見の滝に向かって下って来るというコースを選んだ。

 

国道を離れてから寂光の滝までは厳しい舗装の上りだった。 前日の疲労感が全く抜けてない私とS氏はつらそうに上って行く。 サラ脚のA氏は快調に上って行く。 その後ろ姿が恨めしい。 

 

 

 

寂光の滝からは、神社の鳥居をくぐり、自転車を担いで階段を上って行く。 一歩一歩が脚に堪える。 そして自転車の重みが肩に来る。 階段を過ぎると次に待っていたのは、急な坂道だ。 足場も悪く、踏み込んでもズリズリと下がって来るようなところだ。 前日にここを下らなかったのは、最後の等高線の間隔が狭かったからじゃなかったか? そこを登るとなるとかなり急なのは分かっていたはずだ。 自問自答しながら一歩一歩上って行く。

 

次第に土の道から笹藪に代わって行く。 まだまだ地道は見える。 乗って乗れないことはないゆるい坂だ。 乗れるところは極力乗るようにして上って行く。 しかし、登るにつれて笹が深くなり、ホイールが完全に埋まってしまった。 笹藪を下る分には勢いで下って行くので問題はないが、登って行くにはかなりの抵抗となり、押すのにも苦労する。 ちょっと進んでは休む感覚だ。 しかも、押すとなると顔が笹に近いところにあるので、ホコリがすごい。 息苦しいのだ。 こんな状況のまま延々と押して行くのだ。

地形図やGPSを見ながら、現在地を確認しながら進んで行くのだが、いつの間にかコースからそれてしまったようだ。 道標がどこにも見えなくなってしまった。 まっすぐに上って行かないで、左にそれて西方向に進んでしまっている。 戻ろうにもちょっと道が不明確だ。 このまま進むことにしよう。 下ろうとしてる道は西側にあるので、このまま進めば必ず下山道にぶつかるはずだ。 分岐まで行かずに、その間をショートカットしていると考えれば問題はない。 水平移動なので楽は楽だが、道がないのでちょっと不安な状態が続く。 地形的にも次第に沢に向かって落ち込み始めたので、まもなく下山道に出られるというところだった。

遠くに見覚えのある道標が見えてきた。 下山道だ。 ちょうど赤く染まった葉の下で下山道に出た。 安心したところで一呼吸。 これから下りが始まる。 

昨日走ってないA氏を先頭に下り始めると、あっという間に林道に出た。 今日も同じように林道を下ることにした。 裏見の滝に出ると、河原で昨日食べそこなったカップ麺を食べ、コーヒーを沸かし、ゆっくりと昼食をとった。 暖かな日差しが心地よく、幸せな気分になれた。

あとは国道を下れば宿まではあっという間だ。

 

反省 〜猛省である〜

今回は非常に問題のあるツーリングだったと思う。 何が問題だったか、大きなところで次の二つだ。

○自分の体力の衰えを考慮しない無理な計画

○距離、時間に応じた食糧計画の甘さ

細かいところを言い出せば、たくさん出てくると思うが、主なものはこの二つに集約できるかと思う。

志津林道を登り始めた時点で、経過時間に対して走行距離が伸び悩んでいたことは確かである。 お互い、心のどこかでかなり厳しいということには気づいていたはずだ。 走行ペースをきちんと把握して、残りの距離やら路面状況から先を読んで行動すべきだったと思う。 つまり、今流行りのPDCAをここにも導入しろと言うことだ。 計画して、少し走ってみて、きちんと予定通りに走れているかチェックして、予定通りに進んでいないならペースを上げるか距離を短縮するか計画を変更するのだ。 と、カッコイイことを言ったところで、行きたいもんは行きたいし、ちょっと無謀でも行ってみたいと思えば行こうとするのが自転車乗りだから仕方ないのかも。

でも、食料や水が少なかったのは否めない。 これはかなりの無謀な計画だ。 なかなか道が下りに転じないから、食料を食べ控える。 そして、ハンガーノックになってペースも上がらないという悪循環が続く。 さらに、カップ麺を食べるんだぞと、水も残そうとする気持ちがあり、水分補給も控えめになってしまった。 このため、身体中の水分が不足して、ひいては脚攣りの原因にもなっている。 余裕のある食糧計画は、余裕のある走りをもたらすものだ。

その昔、日光駅前から走り出して志津林道を走るときには、行動食とお昼、それに加えて峠のお茶用にガスコンロも持って走っていた。 いろはを登り、男体山の入口あたりで休憩して昼食のために十分な時間をとっていた。 下りでも景色の良いところで休憩するくらいの余裕のある、一日がかりのツーリングだったのだ。 それがいつの間に、レースペースで走れるようになり、4時間ほどで1周できるようになってきた。 こうなると当然、昼食時間はなくなり、重量増を避けるために食料も最低限しか持たなくなっていた。 ところが、これが少しずつ遅くなってきている現実を直視せず、今までと同じペースで行けるだろうとの甘い気持ちがこのような結果を招いたのではないだろうか。 すっかり、元の普通の人に近づいている自分を認めたくないのかもしれない。 ましてや、そんな状況にあるにもかかわらず、出発時間も9時過ぎと遅く、行動時間が限られている。

次に行くときは、しっかりと早立ちし、十分な食糧計画のもと、ツーリングを行いたいと思う。

 

〜2日目のコース〜

 

 

もどる

 

 

 

 

 

 

 

 

 
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送