セルフディスカバリアドベンチャ'03

セルフディスカバリアドベンチャ'03

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名称 セルフディスカバリアドベンチャ クロスマウンテンバイク100km
日程 平成15年9月20日
天気 曇り(ガス模様) → 雨
結果 私:201位 7時間31分47秒   M氏:10位 5時間38分18秒

K氏:276位 8時間3分28秒   A氏:429位 9時間20分46秒

(まるで匿名になってない・・・・・)

概要

 また出てしまいました。 去年、ゴールして最初に思ったことは「2度と出るもんか!」だったのに、今年も同じように申し込み、走ってしまったのです。 参加費も10000円と高価なのに。 今回の参加者は、私とエキスパートライダのM君、その会社の同僚のK君、そして羽生から参加のA君の4人で参加しました。

 レースそのものの概要は昨年と同じで、王滝村周辺の100kmの林道を走りきるといったもの。 基本的に平地区間はほとんどなく、上りか下りしかない。 今年は、参加申し込み多数のため、定員以上となり、申し込みも足切り状態だったそうです。 乗鞍と言い、これと言い、なんでつらいのに人が集まってくるのだろうか。 ちなみに今年の参加者は613人。 完走者は451人。 今年もたくさんの身の程知らずがいたようです。 自分だって、決して速いとは思ってませんが、完走は出来る力はあると思ってるし、それなりに走ってはいますから、なんとかなってます。 さすがに、10000円もだして完走できそうもないならエントリも躊躇しますよ。

 

スタートまで

 王滝村。 「中央高速道塩尻ICから車で何時間」といって表現されますが、自宅のある茨城県ひたちなか市からはどのように行くにしても、金も時間もかかるのです。 金を使えば常磐道、首都高、中央道と乗り継いで行くことになるのですが、一人で行くにはあまりにも金がかかりすぎる。 それに首都高の渋滞を回避して行くとなると、それなりに早起きして出て行かなければならないため、いつもダラダラと下道で行ってます。 今回は5時頃に家を出ました。 ひたすらR50を西走し、前橋、高崎とR18をひた走り、R142で佐久から和田峠を越え、諏訪を経由して塩尻、そしてR19と延々と走り続けました。 ちょうど諏訪でお昼となったのは覚えているのですが、その後は買い出ししたりとあんまり時間については正確に記憶しておりません。 それだけ時間がかかるのです。

塩尻でM君、K君と合流し、会場に向かいました。 いるわいるわ!キチガイの集団が!(自分もその一人なのに!) 100kmも走ろうと言う人達が! 受付を済ませると、さっさと会場を後にして、キャンプ場へ。 キャンプ場は去年と同じ場所。 そこそこ整備されてて、快適に過ごせます。 森キチオートキャンプ場というところ。

テント張って、「さて」と飲み始めると雨が降ってきた。 「明日も雨だったら走るの止める!」ときっぱり! すでにやる気が失せてます。 レース前日というのに結局は酒飲んで・・・ この前の「うっかり」の教訓が全く生かされていない! でも、家を出たのも朝早かったことから、缶ビール3缶飲んで、ワインを1本空けると、もう眠くなります。 目覚ましを3時半にセットして深い眠りに・・・・・

レース当日、目が覚めると雨は降ってません。 やめる口実がありません。 ダラダラと身支度をして、会場に向かいます。 しかし、まだ暗闇。 自転車もライトを点灯して走ってます。 ライトの準備なんてしてないし、どうしよう。 と、考えてるうちに何とか空が白んできました。 スタートといっても、そんなには明るくないです。 走る前に、トイレに行きたくなりましたが、長蛇の列。 しかし、コース中でケツ出すところなんてないから、我慢して並びます。 スタート10分前なのに10人くらい前に人がいる。 またギリギリでスタートか・・・

 

さあ!スタートです

 スタート方式はローリングスタートで、林道に入るまでは先導車について走ります。この間に前の方に出ていないと、後から大変なことになるのです。 わずかの隙を見付けながら、少しずつ前の方に上がっていきます。 最初は100番目以降にいたのに、林道入口までに50番目位まで上がってこれました。 ここで前の方に上がっておくのは、スタート時の混乱に巻き込まれないためというのが一番のことですが、あんまり後ろの方で走っていると脚力の無い人が自転車を降りて押してしまった場合に、それに巻き込まれて自分も押すことになる恐れがあり、大きく遅れるのを防ぐためです。 前の方にいれば、自分より速い人はどんどん抜いて行ってくれるし、余裕があって抜くわけだから、自分より悪いラインでも構わず行ってくれるので自分も楽に走れます。 だから少しくらい無理してでも、ここでは前の方にいた方が楽です。 でも、最初から無理な人は無理なことしないで後ろから着いて来てください。

 

コースについて

 コースの紹介は、昨年記載した程度しか覚えてないので、今回は省略。 しかし、全体的に走りやすくなっていたような気がします。 たしかに、ドロドロな区間もあったけど、去年よりは泥を感じずに走ることができたし、下りでも楽しく下れました。

前半は、ガスの中を走っていたため、景色も何も見えたものじゃない。 コーナの先がやっと見えるくらいの視界の中を下っていくのはスリリングでした。 しかも、うっそうとした茂みと下草のブラインドコーナのため、とても面白かった。

これだけの大規模な林道の下りとなると、かなり速度も出るし、コーナも多く、タイトで疲れる。 腐っても鯛とでも言うように、Y3395モデルにしてもダブルサスの味があり、気持ちよく下れる。 それに、シラクライトがまた路面を的確にトレースしてくれるのです。 コーナ手前の減速とコーナリング中に、クックックッ・・・・・と路面に食いついていく感触がたまらなく快感で、快適でした。 さすがにガレた区間では、無理に飛ばしてパンクを誘発してもつまらないので、抑えて走りました。

一方、上りとなると話は別。 完走することが目的だから、最初から誰かと競うつもりはないし、追い着いてやろうという気持ちも無い。 自分が8時間走り続けられる速度で走り続けることが目標です。 上りが始まるとフロントをインナーに落とし、リアのみの変速で走る。 下りではチェーンが暴れないようにとセンターに入れる。 この繰り返しで走りました。 

 

困ったことが!!

途中、第2チェックを過ぎた頃から右足が痛くなってきた。1ヶ月以上も自転車に乗ってなくて、久しぶりに足をクリートに固定して、靴を締め付けたときに感じるあの痛みだ。 乗りなれていないときに、強制的にペダルの動きに合わせたときに良く感じていた。 それと同じ痛みだから、しばらく走れば痛みは治まるだろうと思っていた。 でも、最近はしっかりと走っているし、そんなことになるなんて想像できなかった。

ところが、走っても走っても、痛みは軽くなるどことか、どんどん痛くなる。 右足の足首から足の裏、ぼしきゅうあたりまでが痛くて、左足だけで踏み込んで走っているという感じ。 右足はペダルに乗せてるだけで、ほとんど力がかけられない。 あまりにも痛くて自転車にも乗れなくなってきたため、自転車を降りたが、あまりの痛みに立っていることもできない。 座り込んでしまった。 靴の紐を緩め、履きなおして、再度スタートするが、一向に状況は改善されるものではなかった。

リタイヤも頭をよぎったが、とにかく走らなければリタイヤもできないのがこのコース。なんとかだましながら走り続けた。 上りで踏み込めないのも辛かったが、下りはペダルの上に立てないため、路面からのショックを身体で吸収することができず、非常に苦労した。 夢中でなんとかしようと一生懸命走っていると、その痛みは感じられないようになるが、ふと平地や負荷が軽くなると痛みが身に凍みて辛くなる。

やっと第3チェックとなったが、ここまできたらリタイヤするも同じなので、最後の山を登り始めた。 ま、なんとか完走はできたが、この足の痛みには苦労した。 こんな痛みに苦しめられるとは予想外であった。

 

昨年の反省点の反映

昨年の反省を生かして、今年はいろいろと考えました。 うまくいったのかどうかはわかりませんが、自分なりの対応と結果です。

まず、第一に食料の持ちすぎがありました。 昨年はゼリー系を7個、おにぎり、エネルギーバーを持って走りました。 ところが、ゴールしてみるとたくさん余らして(ゼリー系は3個も!)帰ってきたのです。 要するにただ重かっただけ。 おにぎりは食べるのに時間がかかるし、立ち止まらなければならないため今年はやめ。 今年はゼリー系を中心に考えて6個持つことにしました。 それから乾燥して軽いエネルギーバーを3つほど持ちました。 その結果、ゼリー系は1個だけ余り。 ちょうど良かったと思います。 全くゼロで帰って来ても、最後が不安になりそうで・・・ それに、勾配の緩い下りを選んで、全て走りながら食べたので、時間的ロスが全く無かったことが、とても良かった。 結果的に、時間短縮につながったと思われます。

次に、チェーンの油切れについて。 これはもう注油のみ。 浸透性の高い油を使用して、しっかりと内部まで浸透させ、そのあとに比較的粘性の高いオイルを注油しました。 泥が飛ぼうがなんであろうと、ゴールまでチャラチャラ異音が生ずることなく、無事に走れました。 それに、ブレーキシューの減りはそんなに感じることなく、最後までストローク調整なしで走れました。

最後にパンク。 絶対にパンクはしない!と心に決めて、慎重に走ることを心がけました。 下っても、飛ばしても、抑えるところは抑える。 油断しない。 この基本思想を貫くことで、パンクを回避しました。 去年のパンク地点については、慎重に下り、どこら辺でパンクしたのか路面を確認しながら走ったくらいです。 空気圧も乗り心地よりパンク対策を優先させ、かなり高めに設定しました。 フロント2.7、リア2.9 ですよ。 これでも、下りは快適にグリップして、抜きまくったんだから、低めの設定ではもっと楽しかったのでしょうか。 知る由も無いことですが・・・

 

もう少しでゴール

第3チェックを過ぎると雨がしっかりと降り始めた。 後から聞いた話だが、どうもM君はこのとき既にゴールしていたそうだが、こっちはこれから最終ステージ。 雨の中、最後の上りを走り始めたのである。 一生懸命走って、走って・・・といくのだが、全く体が温まらず、冷えたまま。 はっきりって寒い! 標高1000m以上もあるだけに、雨に濡れた身体にはこたえる。 昨年はこのあたりは灼熱の太陽に照らされ、ヘロヘロになって走っていたが、今年は一転して寒くてメロメロである。 最後の力を振り絞って、なんとかモチベーションを維持しつつ走る。 最後の補給のつもりで、食料を口にし、走り続ける。 もう脚一杯、売れ切れ御免! そんな覚悟を決めてひたすら走る。 雨が冷たい。 最後の上りを走りきると、後は最後の下りです。

昨年のパンク地点を確認しながら、最後の下りを果敢に攻める。 やはりスピードが増していくほどに楽しくなってくる。 しかし、パンクだけは避けなければ。 雨を全身に受け、路面からの跳ね返りを受け、全身ビチャビチャ。 冷たくて、寒くて、身体にも悪い。 急勾配区間が終わって、コギが入るところでは、必死に脚を回す。 もう、ここしか走るところは無いわけだから、最後の力を振り絞るように回す。 コギが長い! はやく終わってくれ! そう思いながら、ひたすら走る。

するとゴールが見えてきた! パワーバーのノボリが立ってる。 後もう少し! ゴール! 

 

やっと終わった!

やっと自転車に乗るという行為を終わりにすることができました。スタートまもなくの地点で話しかけてきた人が、同じタイミングでゴールしていた。 お疲れ様! 健闘を称えあうというより、疲れたねといった感じ。 おたがい全身泥まみれ、濡れ鼠。 汗なんだか、雨なんだか、さっぱり良くわからない。 とにかく終えた。 主催者により計測チップを取り外され、お茶を支給されて、少しホッとする。

少し話しをしてから、フト気づくと、スピードメータを止めていないことに気づいた。 今回は、自分にプレッシャをかけるのもイヤだし、どうなるのか分からないので、最後まで走行時間を見ることは無かった。 ずっと距離表示にしていたのだ。 ここで初めて走行時間を見た。 しばらく話をしていた時間が加算されているが、7時間34分である。 なんと、7時間30分を切ったのだ! 正式な時間はオフィシャルサイトで確認することとしても、7時間30分で走れるなんて夢にも思ってなかった。 せいぜい8時間を切れるように頑張ろうと思っていたのに、それ以上のタイム更新。 もううれしくて、うれしくて、なんだか涙が出てきた。 一生懸命、走って来て、その努力が報われたのだ。 こんなに充実感と達成感を味わったのはいつ以来だろう。 ものすごく感動した。

ゴールからスタート地点までは、数キロ。 自走で向かうのだが、その間中、ずっとうれしかった。

 

ゴールして  

スタート地点へ戻ると、既にM君は買出しに出かけており、誰もいない。 どうやら仲間内では2番目のようだ。 とにかく濡れたままでは寒いので着替えを済ませた。 自転車だけは小降りになったときにでも片付けようと思いそのままにしておいた。

突然、女の人に声をかけられた。 自転車を屋根に積んでくださいと言うのである。 どうしたのかと聞くと、ご主人がコース上で転倒し、肘をえぐってしまったと言うことだ。 救急車で運ばれたので、これから病院に迎えに行くのだが、自転車の積み方が分らないと言う。

しかし、あのコースは確かに危険がたくさん。 一歩間違えれば、谷底に転落。 まして一人で走ってて、誰にも気付かれなかったら、それで終わりである。 誰かと一緒に参加していれば、帰ってこないからその日に気付くが、独身一人で参加して、しかも会社の寮なんかに住んでいたら、発見が遅れて大変なことになりそうです。

それに、転ばないにしても、自転車のトラブルをどこまで想定していたら良いのでしょうか。 パンクは当然としても、チェーン切れ、スポーク切れ、どこまででしょうか? いずれにしても重度のトラブルであれば自走は不可能であり、チェックポイントまではなんとか行かねば、コースを外れることもできない。

自分の場合でも、今年は右の足首から足の裏にかけての痛みが続き、自転車を降りて歩くのもつらいくらいだった。 痛くてペダルを踏み込むこともできないので、リタイヤという言葉が頭をよぎったが、走らねばリタイヤもできない。 結局、無理でも走ったことで完走はできたし、タイム短縮もすることができた。 自分の場合は、たいした事が無かったから良かったが、もし重傷の人がいたらどうなってしまうのだろうか。 少しくらいの情況でスタッフを頼ってばかりでは、スタッフも対応しきれないと思うし、非常に大きな問題である。 個人の資質にも左右される問題である。

待ってる間に寒くなってきたので、車のエンジンをかけてたら、体が温まってきて眠ってしまった。 心地よい睡眠でした。 そうこうしている間にK君が帰ってきた。 そして次に買出しのM君も帰ってきた。 残りはA君ただ一人。 しかし、9時間を過ぎても帰ってこないため、だんだん心配になってきた。 車もどこに止めてるか分からないので、定期的に電話してみるが、なかなか出てこない。 10時間を経過したが電話に出ない。 レース規則では、まだまだ帰ってくる可能性はあるので、待つことにするが、どこで待つべきだろうか。 隣の奥さんの例もあるしだんだん心配度合いが増してきた。 と、M君の電話が鳴った。 A君からだ! ホッと胸を撫で下ろす。 良かった良かった。 皆、無事にゴールができた。 A君の車の周りにみんなで集まると、彼は放心状態。 なんとかゴールした実感が出てきたよう。 お疲れ様でした。

 

不愉快だったこと 

ところで、レース後みんなが集合した後に王滝の湯という温泉に行った。 見るからに100kmに出たらしい人で一杯だった。 混雑した風呂、しかも浴槽の中に缶ビールを持ち込んで、浮かれて飲んでいる人たちがいた。 そりゃ、走って疲れて、風呂入ってビールという気持ちはわからんでもないが、公共の場所で、しかも外で人が待っているような情況でビールを飲むのもなんだろう。 資質の問題である。 自分さえ良ければ良いというのはやめて欲しい。 100kmも頑張って走ったのは自分だけでなく、他にもたくさんいるんだから、みんな同じように喜べば良いんだし、思いやりがあっても良いのではないでしょうか。 非常に残念な光景でした。

これがまた自転車をやらない普通の人達が見たらどう思うでしょうか。 「自転車乗ってる人たちって、常識知らずで迷惑だ!」なんて思われたら、ほんの一握りの人間のために全体が悪く見られる。 これだけはやめてくれ! どこかの山道や林道でも、心無い人たちのために自転車禁止となった区域がたくさんある。 もういい加減にやめてくれ!

 

最後の夜 

満足な気持ちに包まれて、その夜もキャンプの夜が始まった。 まともなものは何も食べてなく一日が過ぎてしまったので、しっかりとしたものが食べたい。 とは言ってもキャンプなので炭焼きの肉。 ビールがうまかった。 でも、最初の一杯はすごくうまかったが、2本目に入るとペースが遅くなってきた。そう、アルコールのせいで疲れと眠気が一気に襲ってきた。

相変わらず雨は続き、タープを叩く音が激しく聞こえてくる。 炭火は鈍く赤く光り、疲れた気持ちを癒してくれた。 「おい! まだ肉残ってるぞ!」 「もうだめだ。 眠い。 いや、眠る!」 一人ずつ沈没していく。 自分も漏れなくつぶれていく。 まだ9時だよ。

 

さて、解散! 

M君に起こされた。 まだ眠いのに。 でも、早く帰らないと、家まで8時間もかかる。 まだ、雨は降り続いている。 この中をみんなで手分けして、撤収する。

キャンプ場を出たのは11時前。 すると、ゼッケンをつけた人が走っている。 そうだ思い出した。 昨日は100kmをMTBで走って、今日は42kmをマラソンで走ろうというもの。 二日間のタイムの一番短い人にキングオブ王滝の称号を与えるとあったような。 しっかりと降る雨の中をあのコースを走っているとは。 とても信じがたいが、こんな人もいるもんだ。 どんな精神力、体力なのだろう。 

そんな彼らを後にして帰路に着く。 これからまだまだ8時間。 自宅までの耐久ドライブは、まだ始まったばかりである。  

 

 ファンライド誌に掲載された写真です。 自分が写ってたので、写真が欲しいと連絡したら送って頂けました。 レース中及びゴール後に話した人は、ファンライドのレポーターだったのです。 おかげで良い記念写真ができました。

 

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